Category Archives: 昔 Look Back

過去に経験して技術や開発体験です

Apple Human Interface Guidelines:メタファー?

「実世界からのメタファー(Metaphors from the real world)」
一番目にいきなり難しい言葉がでてきてしまいました。取合えずメタファー(Metaphor)を調べてみるとー隠喩、暗喩ーとでます。比喩を2種類に分けた場合、「のような、みたいな」などの字面で比喩であることが分かる場合を直喩、字面だけでは分からない場合を隠喩または暗喩というようです。「あの子のほっぺは林檎のように赤い」は直喩、「あの子のほっぺは林檎」はメタファー。
これ以上意味を深追いするのは止ましょう。

BlueScreen
(A)初期のパーソナルコンピュータの画面
KanjiTalk
(B)ディスクトップメタファー


「実世界のメタファーを使う」は上の「(A)のようなインターフェースではなく、(B)のようなインタフェースを使う」との宣言です。初期のパーソナルコンピュータはコンピュータおたく達のものでした。
第一章の始めににAppleのインタフェースは、「コンピュータを使うためのインタフェースではなく、今までコンピュータなしで仕事や作業を行ってきた、人びとの能力を倍増するためのものである」と述べています。
書類”MyNote”を削除する場合(A)では例えば”Delete MyNote”というコマンドをキーボートから打ち込みます。(B)では「そのMyNoteというアイコンをマウスでドラッグしてゴミ箱に移動してごらん」と指示すれば、初心者でも書類を削除できるでしょう。このとき断じて「ゴミ箱のようなもの」ではなく「ゴミ箱」です。つまり「ゴミ箱」のメタファーにより削除という操作を表現しています。
また本書では「人びとは快適な環境を与えられたとき、創造的で芸術的になります。わくわくするようで冒険心を刺激される環境にいるとき、人びとは最も生産的で効率的です」と述べています。
さて、すっきりした訳ですが「身近なものやことから見当がつくようにする」はいかがでしょうか?
残念ながら自信作ではありません。どなたか良いアイデアはありませんか?

滝澤
参照
http://www.retrothing.com/2010/12/scratch-built-8-bit-retro-computer.html
http://homepage3.nifty.com/hirai/pc/column/2011/111007_5.gif
“Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface”,Copyright ©1987 by Apple Computer,Inc. Addison-Wesley Publishing Company,Inc.

Human Interface Guidelines:再会

Apple Human Interface Guidelinesに再会しました。
Apple Human Interface Guidelinesの写真です
“Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface”,Copyright ©1987 by Apple Computer,Inc. Addison-Wesley Publishing Company,Inc.

第一章のタイトルがPhilosophy(哲学)です。かっこ良いと思いませんか?
直ぐにユーザインタフェースの設計の10の原則が提示されます。永年この原則にしっくりとして腑に落ちる日本語にしたいと思っていました。皆さんと一緒に良い訳を考えて行きたいと思います。今回は取合えずの訳をつけて紹介したいと思います。

General design principles(一般的なデザインの原則)

  • Metaphors from the real world:実世界からのメタファを使う
  • Direct manipulation:直接操作
  • See-and-point :(instead of remember-and-type):見て指す(覚えたタイプするのではなく)
  • Consistency:一貫性
  • WYSIWIYG(what you see is what you get):見た通りのものを得る
  • User control:利用者がコントロール
  • Feedback and dialog:フィードバックと対話
  • Forgiveness:寛容性
  • Perceived stability:安定してると感じられること
  • Aesthetic integrity:美的な統一感

原則に好きも嫌いもないのですが、私は8番目の”Forgiveness”が一番気に入っています。

滝澤 寛

Apple Human Interface Guidelines

30年近く前、Apple Human Interface Guidelinesの10の規範に随分感激し影響を受けました。Amazonで1978年版を注文しました。届きましたら皆様に紹介しようと思います。

このGuidelinesは現在でも私がユーザインタフェースを設計する際の基礎になっています。ソフト技術者以外でも参考にしていただける奥深さがあると思います。

滝澤 寛